上越の家
新潟県上越市の工務店様より、モデルハウスの設計のご依頼をいただきました。
区画整理された分譲地で、ちょっとオシャレな木の家を計画して欲しい。ということでした。
今回はモデルハウスと言う特殊な事情ですので、お住まいになる方と、一緒に創り上げた・・・という事とは異なりますので、タイトルは上越の家・・・と、させていただきます。
西面からの外観
パーゴラの端部と、黒いビートルの向こうにはヤマボウシと、大きなケヤキが植えられる予定でしたが、管理上の問題により却下され、さびしい外観になりました。
また、日本でも有数の豪雪地帯ということもあり、軒の出を大きく取れなかったことと、軒の出を支える登り梁を大きくしなければならない・・・なんといっても大きな雪止めが・・・やはり、瀬戸内海での条件とは全く異なるデザインを勉強させていただきました。
北西からの外観
一番メインになる方向からのアングルです。
ヨハネの家は総2階の外観が多いのですが、それを、メインアングルから、総2階に見せないための工夫がいわゆる・・・ひとつの・・・得意技・・・なんです。
コストを考えれば総2階は理想的です。
でも、第?サティアンのような建物では、家作りの夢も壊れてしまいます。
そのための下屋・・・パーゴラ・・・植栽・・・が、雰囲気を和らげてくれます。
今回は面積に含まれない、パーゴラの事例です。
北西面にレイアウトされたパーゴラは、建物から遠い場所に日射遮蔽のための、簾を設けることが可能になります。
建物(=シェルター)から、遠いということは、窓を開放したときの通風量が増えます。
つまり、夏の日射遮蔽は建物からなるべく遠い場所で行うほうが、太陽熱も緩和できるし、通風も有利になるということです。
今回の敷地条件から、北西が大きな交差点で、夏の夕日を妨げるモノがないため、北西から、外観デザインを重視して北面にかけてパーゴラを計画しました。
南西面のアプローチから、風除室のアングル
豪雪地帯ということで、必須である風除室を、総2階のBOXから、飛び出してみました。
その結果、建物がコの字型になり、アプローチからリビングデッキの雰囲気がかもし出されるように・・・
モデルハウスとしての期待感を成就するために、FIXのガラスをレイアウトしました。
もちろん手前のガラスにはロールスクリーンを設け、デッキ側のガラスは建具で目隠しできるようになっています。
2005/10/08
玄関ホールから玄関ドアを見た方向
計画にあたり、本日の写真でのご要望は、玄関からリビングのデッキへのつながりが欲しい・・・
雪国特有の風除室が必要・・・玄関〜和室はパブリックなスペースとして単独な利用ができ、玄関にも長靴で入れる、納戸が必要・・・とのことでした。
左手の大きな吊戸はホールとリビングの移動間仕切りの役目をしています。大切なマウンテンバイクは冬場は風除室に置きます。
マウンテンバイクの右手に見えるのが、風除室と、玄関ホールとの間仕切り壁です。それから、さらにテラコッタの床を右手に移動すると土足のまま使える納戸があります。
玄関の土間から正面の和室を見た方向
正面の壁が床の間スペースです。
床柱の代わりになる竹は、ホームセンターで購入したものです。
1本、数10万円の床柱を購入するか・・・?雰囲気だけでも楽しみたいなら・・・と、割り切った、床の間スペースです。
和室の右壁の障子を閉めれば、リビングから独立した和室になります。照明器具はいわゆる、富士型とか、トラフとか、つまり、事務所用の裸の蛍光灯を、ワーロンという素材で隠しただけの、隠し技です。
近所のホームセンターで電球色を購入すれば、白熱色の雰囲気も味わえますので、ご入居後の楽しみにとっておきましょう。
リビングデッキから玄関デッキを見た方向
玄関ドアのデザインと、ポストは、指定外の物となりましたので、残念です・・・サッシは、建設会社様のご戦略により、樹脂サッシを使用させていただきました。
瀬戸内海では、樹脂サッシなど考えたこともありませんでしたが、雪国では必要です。やはり、強度を考慮してサッシ枠など、かなり、重厚なつくりになっていますので、ガラス面が小さくなり、デザインとしては若干不満になります。
しかし、こういう面はデザインより快適性、機能性、重視でしょう。また、ベランダの手摺を外壁と同じ黒系にするか・・・? ナチュラル系にするか・・・?で 迷いましたが、モデルハウスということと、南側が隣地で将来南側からのアングルは無くなること、管理上、あまり立派な植栽&庭は避けたい・・・とのご意見も考慮させていただき、建物で、明(アカ)ぬけた雰囲気をかもし出すことを重視して、ナチュラル系になりました。
建設、専門用語では、色決め・・・と言いますが、色決めは、夫々のお客様の条件によって、考え方が、全く異なります。
また、周りのロケーションによっても全く異なります。一番、難しく、出来上がったら変更不可能な・・・経験を問われる業務ですネ・・・
2005/10/09
リビングから玄関ホール/和室を見た方向
風除室に引き込まれた、引き戸と、和室の障子を閉めれば、リビングは落ち着いた、プライベートな空間になります。写真は全て、オープンでの想定です。
玄関ホールから1階リビング全体を見た方向
一番奥に、2階へのスケルトン階段をレイアウトしました。
玄関ホールからリビング・・・その向こうのダイニング・・・2階の吹抜を見た方向
当初より、この吹抜については様々な意見で・・・上棟寸前まで方向が決まりませんでした。
春・夏・秋・はこの場所での吹抜は理想だね・・・という意見は一致していましたが、冬・・・ 上越の過酷な冬・・・はたして、いかがなものか・・・ということで、当初は、吹抜に、スノコを設置する予定でしたが、先方様より、スノコは不要との見解に至りました。
ちょっと、不思議な空間になりましたが、冬場の天気の良い日のダイレクトゲインを考慮すると、直射日光により、以外に心地よく、暖かい・・・・空間になりました。
2005/10/10
今回はキッチン特集です。
なかなか面白いキッチンになりました。
実を言うと今回のキッチンの計画は横浜のエルエル・プランニング様にお願いしました。
私は住宅の設計には自信がありますが、こと・・・キッチンに関しては、食器洗いは得意ですが、調理中はビールを飲むほうが、忙しいので、家庭内で貢献できていません・・・
ビアサーバーのある家とか、お父さんが家に帰ってから冷蔵庫に直行する動線計画は、もっとも得意としていますが、キッチンのレイアウトは、きちんと経験豊富な方にお願いしています。
エルエル・プランニングの祓川様は、単なるインテリアコーディネーターではなく、素晴らしい、発想の転換をいただけるデザイナーでいらっしゃいます。
これまで、何件かお願いしましたが、眼からウロコの発想をいただけます。
たいへん気さくな、ご性格でいらっしゃいますので、相談しやすいパートナー様です。
家事スペースからリビングを通過して玄関ホールを見た方向
玄関からキッチンまで全て丸見えですので、大きな引き手のある可動間仕切りが、家族タイムのプライバシーを確保してくれます。
対面&アイランド型の折衷プラン
ちょっと、なかなか無い計画ですが、ダイニングテーブルと続いているので、実用的な楽しいプランですね・・・
2005/10/11
ちょっとオシャレな木の家は、住木センターの合理化認定を取得しています。
その、設計ルールの基本は、総2階のグリットパターン プラス 下屋という考え方です。
下の夕景の写真を見ていただければわかると思います。
1階と2階の耐力壁の位置、柱の位置、開口部の位置をなるべく統一することによって建物の重量を確実に基礎へ伝える構造の考え方を重視しています。
皆様の家の周りに気になる家、気になるメーカー様があれば、夜景を見てください。
部屋のあかりが均一にレイアウトすることはデザイン上もシンプルになりますし、夜景も綺麗ですし、構造的にもベストな家・・・と言えますね・・・
例えば、夜景を見て、2階の隅柱の下に大きなサッシがあったり、部屋のど真ん中だったりすると、それは、構造的にどうしようもない家になります。
2階の隅の柱は屋根の荷重(重さ)が一番集中する柱です。
その柱の下に、きちんと柱がないと言うことは、例えば・・・大きな地震が発生した場合、梁(横架材)のみで支えているため、当然、たわみ(上下方向のゆれ・変形)・・・が発生します。
つまり、その下で柱のある家と、無い家では、2階から屋根の揺れ・・・変形がまったく違ってきます。
私たちも数年前に芸予地震を体験しましたが、復旧の際・・・お客様より、どうしてあの家だけ、瓦落ちているのですか・・・?
といった質問を受けましたが、案の定、構造的に問題のある家ばかりでした。
構造が一番です。
2005/10/12
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