パッシブの3要素① 集熱編
”パッシブの3要素① 集熱のしくみ” を具体的にご説明しましょう。
「OMソーラーの家」屋根構造
屋根面で、太陽の熱を集め家の中に取り込みます。
まず、屋根の軒先から屋外の空気を取り込みます。
このとき、「ハンドリングボックス」というファンをまわして、空気を吸い込みます。
屋根の下に集熱空気を取り入れるスキマの層があり、ガラスのない部分は、金属製の屋根で、じわじわ空気を暖めます。
暖かい空気は上昇しますので、屋根の高い位置へ移動します。
屋根の高い位置にはガラスが貼られており、この部分(ガラス付き集熱面)を通過するときに、一気に温度が上がります。
冬でも60度以上になります。
それらの空気が「棟ダクト」を通過して、「ハンドリングボックス」へ取り込まれます。
これが「集熱」の流れです。
「お〜い・・・ だったら、全部ガラスにしちゃえば、もっと、暖かい家になるのでは・・・?」 と、私も最初はそう思いました。
実際、すべてガラスにすれば、冬でも100度近くは可能と言うことを聞いたことがあります。
しかしながら「ハンドリングボックス」も機械ですから、ゴムの部分など、80度を超えると溶解したり破損したりする可能性がありますので、基本的には、夏の昼間において80度を超えないよう、コンピューターでシミュレーションを行い、屋根のガラスの部分の大きさを決めるのです。
もちろん、ガラスは強化ガラスを使用していますし、それゆえ高価ですので、ガラスの面積が小さいほど経済的ともいえます。
また、「屋根材は、瓦ではできないの・・・?」というご要望もよくいただきます。
これは「OMソーラーハウス」の基本「集熱」と言う考え方では、「瓦」という素材は、逆に「断熱」効果を発揮してしまいます。
もちろんその分、「ガラス付集熱面」を大きくしてあげれば、可能です。
ただし、ガラスのようなフラットな素材の下側に瓦のような山あり谷ありの素材を組み合わせると、建築的な納まりが複雑になってしまいます。
屋根面の納まりが、複雑と言うことは、必然的に雨漏りなどの事故にもつながりやすいので、出来れば金属板の屋根材をお勧めしています。
2007/01/28
「集熱」の効率を考えて見ましょう。
それは、屋根の勾配と太陽の垂直方向の高度と、東西方向の角度との関係により左右されます。
冬至の日
の太陽の垂直方向の高度から地球への角度をあらわした模型①(真東から)
冬は太陽の角度は低くなりますので、屋根の勾配が急であるほど、太陽熱の方向と屋根の面が直角に近くなります。
それだけ太陽の角度に対して、熱を受ける屋根の面積が大きくなりますので、効率は良く なります。
冬至の日
の太陽の垂直方向の高度から地球への角度をあらわした模型②
すると、朝の日の出からお昼までだんだん太陽の高度が上がってゆきます。
つまり、家の屋根が、東の方向を向けば、午前中に良く集熱しますし、逆に、家の屋根が、西の方向を向けば、午後から良く集熱するようになります。
このように屋根面の勾配や、家の向きによって、OMソーラーハウスの効果は変わってきますので、このような状況もコンピュータシミュレーションで事前にチェックしています。
2007/01/29
ついでに夏至の状態も見てみましょう。
夏至の日
の太陽の垂直方向の高度から地球への角度をあらわした模型①
夏至の日
の太陽の垂直方向の高度から地球への角度をあらわした模型②
太陽の高度が、冬至のときより、相当高くなっている事がお分かりいただけると思います。
冬の時期には、屋根勾配を急にして、低い角度の太陽熱を利用することが、効率を上げることにつながります。
ただし、夏の時期には、逆に、屋根勾配を緩やかにした方が、太陽光の水平投射面積が広がります。
と言うことは、冬の時期に太陽熱が欲しい「OMソーラーの家」と、夏の時期に太陽光が欲しい、「太陽光発電」とは建物の設計手法が全く異なってきます。
自然エネルギーを利用する場合は、とにかく、環境適応設計を理解できているかどうかで、その家での生活がスタートしてからの、日々のくらし方に影響がでます。
そのような視点から、日々の業務に取り組んでいます。
2007/01/30
雪景色の中の「OMソーラーハウス」です。
屋根勾配を急にした事例①
西の軽井沢と呼ばれている、広島県吉和村です。
直ぐ隣接してスキー場もあります。
屋根勾配を急にした事例②(お昼前の状態)
朝8時に岩国を出発して、到着したのが10時頃でした。
ガラス付集熱面の雪が落ちているのがわかります。
屋根の勾配がきついので、雪が落ちるのも早くなります。
ということは、お昼前には、太陽の熱を集め始めている・・・ ということなのです。
このような、深雪の中でも、きちんと、太陽熱エネルギーを利用して、暖かい家づくりが可能です。
2007/02/04
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