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耐久性・剛性

面材を使用して耐久壁をつくる

壁パネルを内側から見たところ。断熱材も組み込まれています。

耐力壁は地震や風の力に耐えるためのもっとも重要な構造要素です。水平方向にかかる力を受け止め、変形を抑える働きをするのがこの耐力壁だからです。柱のみで圧力を受けた場合に比べ、面で受けることによって1個のブロック体のようになり、強い耐久性を実現します。

耐力壁は一般的に「筋かい」もしくは「面材」によってつくられます。どちらも同じ程度の初期剛性(地震や風の力を受け止め、変形を抑えるための固さ)を実現させることはできるのですが、「筋かい」では接合部が損傷を受けると耐力がゼロになる恐れがあります。

一方、構造用合板などの面材耐力壁では、釘によってたくさんの接合部が生まれるため、変形が生じても「粘り」を発揮して耐力が低下しにくいという優れた特徴をもっています。ヨハネハウスではこの特徴に注目し、耐力壁は面材を使ったものにしています。さらに、壁パネルを使うことで、精度の高い施工が実現されます。

床を固め、水平剛性を取る

火打ち梁。

地震や風の力をきちんと耐力壁に伝えるためには、水平面が変形しにくいことが求められます。水平面が変形してしまえばそこで力が逃げてしまい、ねじれた形で建物が壊れていくからです。こうした変形を抑えることで、倒壊や崩壊を防ぐことはもちろん、損傷を最小限に食い止めることができるのです。

建築基準法ではこの「水平剛性」と呼ばれる構造要素についての規定がなく、そのレベルの家づくりでは「火打ち梁」と呼ばれるものを使って経験的に水平剛性が考えられています。しかしこれで必要な構造性能を担保するのが非常に難しく、現実的には面材を使う必要があります。

したがってヨハネハウスでは、構造用合板を使って床や屋根を固め、地震や台風の力を確実に耐力壁に伝えるようにしています。

シンプルな家の形にすることで、雨漏りのリスクを低減させる

シンプルな家の形、切妻屋根は雨漏りのリスクを減らします。

建物の耐久性を低下させる最大の原因は「水」です。よって、いかに建物の中に水を入れないかが大きなポイントになります。とくに定常的な雨漏りは構造材を腐らせ、シロアリ被害を助長することにもつながります。

雨は建物の凹凸があるところから入ってきます。複雑な屋根の形にしたり、無理のある窓の収め方をしたりすると、雨漏りのリスクはどんどん大きくなっていきます。

ヨハネハウスの設計は「グリッド」を組み合わせながら進めていきます。これは構造の安定を実現しながら、凹凸の少ないシンプルな家の形をつくることにもつながるからです。慎重な施工とあわせ、切妻屋根にすることやしっかり軒を出すことも雨漏りのリスクを大きく下げることになるのです。

内部結露のことを考える

湿気を通さない断熱材を組み込んだ壁パネル。

北海道で始まった断熱性の高い住宅において、その導入当時に大きな問題があることが明らかになりました。それは「内部結露」と呼ばれるもので、冬場に室内の湿気が壁の中などに入り込んでひどい結露が生じ、構造フレームが腐るなどの被害が起きていたのです。

山口県や広島県のように比較的温暖な地域では、いまのところ大きな話題にはなっていませんが、高断熱化が進むにつれ、この内部結露問題はわが国の家づくりにおける重要なテーマになってくることが予想されます。

わたしたちは断熱化を進めるに当たって、内部結露対策は住まいの耐久性を担保するために不可欠なものであると考え、断熱の方法などに工夫を凝らしています。壁パネルなどに使う断熱材は湿気を通さないものを使用することで、温度が低くなる外側の材料での結露が生じにくくなります。また外壁などに通気層を設けることも内部結露を抑えることになります。

床下のつくり方にこだわる

高耐震・高耐久のベタ基礎はシロアリ対策にも有効。

床下は住まいの耐久性に大きく関わる場所です。シロアリが建物に侵入してくるところであり、土壌からの湿気が問題を引き起こし、水漏れが起きる場所でもあるからです。

まずシロアリについては、これまでのわが国のシロアリ対策は薬剤に頼ったものでしたが、これはシックハウスにつながり、これからのシロアリ対策はシロアリの生態を知った、薬剤に頼らないものにしていく必要があります。

ヨハネハウスでは、基本的なシロアリ対策として「ベタ基礎」を採用しています。ベタ基礎はすでに述べた不同沈下を防ぐ働きに加えて、「地面からの湿気を遮断する」というメリットがあり、極めて隙間が生じにくい構造であるためにシロアリ対策としても非常に有効なものです。また配管を工夫することによって、シロアリや水漏れのリスクを下げるようにしています。